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 21世紀の健康対策1



疑うことから始まる

 かねてより私は、先ずは疑うこと、それが賢明な消費者たる第一歩と申し上げて参りました。狂牛病問題やその後次々と表面化しているラベルの虚偽表示問題等等。これらは、そのどれひとつをとっても、直接健康に重大な影響を及ぼす問題ばかりです。私は、今日の日本は重大な転機にあり、早急に手を打たないと大変な事態を招くことを恐れています。そこで本日は、現在の日本がおかれている状況を起点とし、21世紀の日本の健康対策を考えてみたいと思います。まずはラベル虚偽表示問題を例に取って、お話を進めましょう。

1. ラベル虚偽表示問題にみる問題点

 新聞、テレビに代表されるメディアの報道は、最後には決まってこう締め括られます。 一体なにを信ずれば良いのか! そういって嘆いてみせ、怒りを露わにするのは分かります。しかし、それで終わったのでは何も解決していないことに気がつくべきです。悪さをした企業の経営陣が侘び会見で恥をさらす姿は一見溜飲が下がるものではありますが問題の本質は何も解決されていません。虚偽表示が露見しても、地方自治体機関による立ち入り検査と改善勧告のみ、悪くても営業停止一ヶ月とせいぜいが数十万円程度の罰金だけなのです。報道されてからの立ち入り検査であることも注目すべき事実です。この問題は終了の気配すらなく連日新たな事件が報道され続けております。

 では問題解決には何が必要なのか。少なくてもこの問題提起とその具体案を示す程度はマスコミに期待していましたが、案の定いたずらに怒りをあおる報道のみに終始するばかりです。ここまでくれば、現在の日本の法律が如何に国民の利益第一を謳いながらもその実態は大きくかけ離れたものであり、マスコミたるものは批判・提言を行うオピニオン機能を失い、ワイドショー番組に代表されるように面白おかしく世論をあおるだけの存在だと私は結論付けております。このままでは日本は危ないと思うのです。

2. 何故かを考える

 ラベル虚偽表示問題ひとつをとっても、今の日本の問題の本質が見えています。私は行政と業界団体のいわゆる官業癒着、そしてマスコミの商業主義、立法府たる国会を構成する国会議員の選出を軽んじる国民。それが今の日本人ではないかと思うのです。つまり当然果すべき義務を怠り、自ら考えたり調べることなく言われるままに信ずるだけの人々。その結果、法律は立法府たる国会において国民代表の国会議員が作るのではなく、全くの官僚任せであり、官僚は先ず業界団体の幹部と業界利益を確定させ、その貸しをもとに天下り先確保に躍起となるのは、いわば当然でしょう。行政に関わる報道の殆どが、各省庁内にある記者クラブに配布される官製の発表文(プレスレリース)であることも覚えておくべきです。記者クラブと官僚は、云わば共生の関係で、基本的に利害が一致しているのです。批判精神があるのなら、当の昔に官庁内記者クラブは自らが廃止していたでしょうね。

 ではどうしたら良いのでしょうか。ラベル虚偽表示問題で考えた場合です。一体なにを信ずれば良いのか?そんなことは分かりきっています。自分の目、鼻、耳、ありとあらゆる五感を働かせるしかないのです。そうすれば怪しい多くの物事を見つけ出すことが出来るようになる筈です。それには、相応の努力とコストが求められます。そのコストを払わずしては、安全が確保されなくなってしまったのが今の日本であることを知るべきです。

 その例えを挙げましょう。真っ白い色をした肉で、更にピンク色の水分がパックの底に少しだけ出ている鶏肉に地鶏のブランド名がついていたとしましょう。先ずそれは明らかにブロイラーの解凍品です。つまり偽物です。しかし、ブロイラー肉が白色であること、そしてその白色の理由が抗生物質入り飼料でミネラル等の栄養バランスに欠けているからであること、その為、肉に力がなく風味に欠けること、且つブロイラー流通の殆どが冷凍品で占められていることを知らなければ、偽物判断は出来ません。また、地鶏を購入して自分で調理し、その地鶏が全体に赤身を帯び弾力性にあふれていることを知らなければブランド地鶏であることも分からないことになります。

 更に注意すべきは、大方この種の偽物商品がセール品となっており、衝動買いを誘発するよう仕掛けがなされていることです。日本では、過去十年で八百屋、魚屋、肉屋、豆腐屋さん等、いわゆる屋号付のお店が消ています。ちゃんと手に取り、匂いをかぎ、新鮮さを手触りで確かめて購入することが出来ない国になっているのです。それならば余計に自衛能力を磨く必要が有るのです。

 ここで皆さんの知恵が生きます。お嫁さんや家族、そして孫たちに、本物の食べ物を教えて上げてください。本物の現物を見、調理し、味わう。これが一番です。せっかくの品物を求めるのですから、よく吟味し、信頼の置けるところを選ぶに限ります。そしてしっかりとその由緒を尋ねましょう。しどろもどろの答えでは、先ずそれだけの品物でしかありません。良いお店なら、それこそ喜んで色々教えてくれますし、その情熱があるからこそ良い品物が選べるからです。

 遺伝子組み換え食品のお話をした際にも申し上げましたが、日本は自給率が先進国中最低で、輸入食料が主流の国なのです。

 問題の本質は、日本製品だけではなく、輸入製品の安全性確保までもが完璧を要求される大変な負担を強いられる国であるということです。しかも、国民に安全を保障すべき国が、業界利益と保護に明け暮れている実態は、現在の日本の法律が国民の安全と健康すら守れない分野が出てきていることを白日のもとに曝け出すことになりました。私は、これからの10年は、相当な覚悟を要求されることになるものと思っております。その原因は、私たち国民が大切とすべき幾つかの努力を怠った結果に他なりません。次回には、さらにその他の問題とその対処策をあわせて考え、これからの難しい時代の健康対策をご紹介もうしあげる積もりです。