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 21世紀の健康対策2



今回は、21世紀型の健康対策をお話いたします。
その中では先日アメリカの友人達と語り合った健康談義も、まとめてご紹介いたしましょう。

1. 厳しい経済環境

一番最初に申し上げるべき事は、これからの10年間は、今までとは比較になら無い程の厳しい経済環境の中で生きて行かなければならないという事です。健康で生きるためには、生活そのものが安定していることが前提です。しかし残念なことに、21世紀初頭の日本では、それが大きな危険にさらされているのです。生活が安定しないのでは健康の維持向上どころでは有りません。先ずその危険性をしっかりと理解する必要があります。経済は、健康にとっては、水と空気と同じほど重要なの要因だからです。

 今日は先ずその話からはじめます。経済環境の悪化は申すまでもありせん。新聞に載っているのは、驚くべき大きさの赤字や、倒産企業の負債総額です。一例を挙げましょう。一千三百兆円。一体何の数字でしょうか。これはバブルがはじけて以来、昨年末までに失った株と土地の資産総額です。もうひとつの数字は約七百七十兆円。これは日本国として、国と地方自治体が抱える長期債務の残高総額の平成十四年3月末の数字です。赤ん坊も一人と数えて計算すると、国民一人が約六百万円の借金を負っていることになります。今の日本の経済の大きさは、国民総生産としておおよそ五百十五兆円です。それを先ほどの長期債務との比率で比べるならば、先の大戦で敗戦が見え始めた昭和十八年の数字よりも悪い。こう申し上げればその深刻さがお分かりいただけますでしょうか。

 いやな話ばかりですが、もうひとつお聞きください。今話題の財政再建、つまり国の台所、予算事情です。一例が今年の歳入に占める国債比率です。それはすでに4割に近いのです。この比率は先進七カ国中、ついに最低になりました。その結果、日本の国際的な信用を計る目安である国債格付けでみると先進国中最低。今やシンガポール、香港以下の評価なのです。

 こうした経済がもたらす今後の健康への影響は甚大です。先ず公的制度は、今の構造改革が成功しない限り、そしてだからこそ成功させなければならないのですが、破綻は目に見えています。健康保険、年金など、日常生活の安心の要である制度の多くが極めて重大な危険にさらされているのが現実なのです。そして最も確実なことは、増税です。たとえば消費税は早晩、15%以上になる可能性は、欧州諸国の平均がそれ以上であることからしても明らかです。収入が減り、公的サービスが低下する一方、増税がすすむ。これがこれからの生活となるの覚悟が必要なのです。

2. 経済の厳しさに立ち向かう覚悟と健康

 こうした厳しい現実ではありますが、最悪の事態には至っていないのも事実です。まだ約一千三百兆円の個人資産は残っていますし、海外には政府は米国債で約二十八兆円を保有しています。また日本の国際収支は急激に減りつつあってもまだ黒字です。大きな意味では、今のところ国の財産はなくなりましたが、個人の分は残っています。個人の日常生活が維持できなくなる事態には至ってはいません。今ならまだ対処可能なのです。

 そこで私は、次の対処策を申しあげます。いずれも皆様が、ご自分や家族に合わせて考えてみて頂きたく思います。

(その一)経済問題を理解し、自分の財産を見直す努力が健康維持の最低条件です。

 先ず、問題が理解できないのでは致命的な損害を受ける可能性があります。これからの政治の動きは特に大切です。重大な決定が行われる可能性があります。たとえば今後の金融機関には、これまで考えてもみなかったような大変化が起こる可能性があります。変化を見落としてはなりません。銀行、証券、生命保険、損害保険などの財産の管理は、人任せにしてはいけません。大きな変化が起こることを前提とし、肝に命じておくことが必要です。分からないことをそのままにしておかないことです。先ず自分で調べる努力が必要です。人に聞くだけでは、危険です。自分で調べ、理解し、そして納得する。いざというときには、その分析と理解が物を言います。個人の財産をしっかりと守ること。先ずこれを大至急見直しすることです。

(その二)政治に関心を示し、投票する。

 個人の健康の維持向上には、健全な国家の発展が不可欠です。その基本を、おろそかにしてきたのではないか。このところの日本を考えると、そう思わずにはいられません。政治とは何か?この問いに答えられない日本人が増えればふえるほど、貧しい生活が現実のものとなってしまいます。欧米では、政治とは自らが納めた税金の使い道を監視すること。このように単純明快に先ず教えるのです。この点を誤ったのが日本でした。狂牛病問題で農水省が使う対策費は何と、四千億円。年間約三兆円の農水省予算の半分が公共土木工事。この一例だけでも驚愕すべき事態ではありませんか。では何故それが堂々とまかり通るのか。そこが問題の核心なのです。それは、政治に無関心、税金の使われ方など考えたことがない国民が多数を占める日本だからです。無関心は、選挙の投票率の低さに現れています。投票とは、わかりやすく申し上げれば、自分の考える税金の使い道を実現する手段なのです。投票率が三十パーセント台にまで落ちてきている事と、国家財政が危機的事態に近づいていることとは正しく比例しています。政治を話題にすること。税金の使われ方に、口を出すこと。そして政治家を吟味すること。その上で必ず投票すること。こうした努力をしない限り、自らの健康どころか日本国が末期癌の病魔に倒れる事態になりかねません。今は、国の健康を回復させるべき時なのです。

3. 二十一世紀型の健康対策とは

 先日のアメリカ出張の際に、このテーマで友人達と語り合う機会がありました。ビジネスマンで私と同世代の五十代の友人達との話です。彼等と話してきたことは、日本の状況に合わせて見ると、多くの示唆に富むものでした。以下は、その内容のご紹介です。

 先ず日米の健康の概念です。日本では、大方の皆様は、病気にかかっていない状態を意識すると思います。近頃のアメリカでは、病気にかかっていようが、治療中であろうが、家族や友人と日常生活を有意義に過ごせる事。つまり、有意義な生活を送ることが出来る状態こそが、健康であるとの認識でした。この話には前提があります。アメリカは、やるべきことは全部やっているのだ、との自負です。もともと国民健康保険のない国ですから、如何に病気が高くつくかを身にしみて知る国民です。だからこそ十分な対処法を身につけたという訳です。その対処法とは、予防を含めた、現在の生き方の見直しにあるというわけです。今世紀のアメリカでは、平均寿命は百歳を超えることは間違いなしと言われる程です。病死する危険が少なくなるだけではなく、長生き出来ることが当たり前の世界に対する準備が必要。それこそが新健康対策であるということでした。

 では具体的な対策とはどんなものなのでしょうか。彼等が実践している第一は、予防におけるインターネットの駆使でした。すべての健康に関わる疑問については即時に解決すること。その手段が、ついに出来たということです。なるほど使ってみれば分かりますが、インターネットは便利な道具です。今世紀はもはやコンピューターなしでは機能しない時代になっています。その代表的な利用法であるインターネットは、全く新しい健康情報をもたらすことになりました。病名、病状はもとより、必要な投薬や治療法までもが自在に、しかも無料で入手できます。そのことは素人判断の危険性を、むしろ大幅に低下させることにもなり、質の高い医療サービスが期待できると彼等はみているのです。つまり、医師を治療の専門家とみなし、患者となるか否かの判断を自らが行うことが必要な国アメリカでは、ドクターに行く前に十分な予備知識を持つことがインターネットの普及で常識化しつつ有るという事でした。

 もうひとつの健康対策。それは長生きの意義を早めに模索せよ。そうすれば思っても見なかった長寿をより楽しむことが出来る筈である。何しろ今五十代のわれわれは百歳まで生きる羽目になっているのだから。なんと積極的で楽しい話ではありませんか。今世紀は、病に冒される恐怖ではなく、ただ漫然と生きることのほうが、より恐ろしい事というわけです。アメリカの老人ホームでは、定期的に結婚式がそれこそ備え付けのチャーチで行われています。九十年代に国を挙げて取り組んだキャンペーン、足腰を鍛えて元気な老人作りは大成功を収めています。どうやら、彼等が実践する自助努力は、日本には見られぬ新しい世界を切り開き始めている様子でした。

 私は、安全で豊かな生活が出来る日本を作ることこそが、二十一世紀の真の健康対策と思う者です。しかし昨今の政治経済の大動乱は、その根底を覆す危険性が有ります。お耳に不快な話題ばかりとなりましたが、今こそご家族で話し合ってみてください。あのアメリカでは、九月十一日の大事件を契機に、家族や友人を家庭に招き、もう一度人生とは何かを考える機会が増えたと聞きました。

 健康でいることが目的ではなく、その健康で何を得るのかを問い直す。私は、日本は必ず良き国になる資質を持つと信じて疑いません。ここが踏ん張りどころです。皆様とともに、もうひと頑張りして良き日本作りに励むつもりです。