【バリアーニ農園便り】2014年11月17日現在

バリアーニファミリーと当社社長

日本ホールフーズ社長、佐藤格(いたる)でございます。
皆様の日頃のバリアーニオリーブオイルのご愛顧に対し心より御礼申し上げます。

ただいまサクラメントの農園からサンフランシスコに戻り、このバリアーニ農園便りをしたためております。

1999年にバリアーニ家のオリーブオイルに魅せられ輸入販売を開始いたしましたが、今年ほどお伝えすべき内容豊富な年は有りません。先ずは今年のグリーンオイルの出来映えからご報告いたします。

昨年は、「これぞオリーブオイル最高の鮮度と味わいだ!」かような嬉しい評価を多くの皆様から頂戴いたしました。

今年の初物は、その昨年の味わいに一層のエネルギーが加わり、美味しさがダイナミックに広がるパワー溢れる味わいとなりました。エレガントでありながら力強さを併せ持つ傑作と断言できます。

「製造直後なのでイタリアのオリーブオイル分析研究所には送っていないが、この味わいの良さは昨年を上廻るポリフェノール量に起因するに相違ない」、と製造責任者の三男セバスチャンは語ります。
以下彼の説明そのままです。

「実はキャリフォルニアは今年で連続四年の大干魃。今年は事態が一層悪化し、例年なら必ず降る摘み取り直前の秋雨までもが遂にゼロで終わってしまった。

年間降雨量は5ミリ。バリアーニ農園も遂に被害が発生している。しかし全滅ではない。

被害を免れた農園もある。そこは殆どが当家がオリーブオイルを生産開始して以来の土地といえば直ぐわかるだろう。そう、毎年日本向けに契約しているグリーンオイル用の農園だ。

そこでは例年より小さいものの果実が見事に成長したのだよ。それがこのオイルとなった。この大干魃を生き延びた最強の果実達。灼熱の干魃を生き抜いたのはポリフェノールが多く入っていたからこそだ。そのオイルが出来ただけでも我々は幸せだ!」

何たる幸運でしょう。殆どのオリーブ農園が例年の4割も採れないと地元有力紙が報道するなかでバリアーニ家は我々に大干魃を成長して生き抜いた果実でのグリーンを出荷してくれます。

大干ばつを生き抜いたグリーン果実セバスチャン氏と当社買い付けオイルタンク

またレギュラー品もその同じ農園の完熟果実で製造すると確約を得ております。量についてはグリーンはなんとか昨年並み、レギュラーはこれからの製造で優先確保することとなりました。

念のためオリーブへの干魃の被害が具体的に如何なる物であるかをご説明いたします。オリーブは農産物のなかでは最も水の使用量が少ないことで知られています。従い、あの緑の木が枯れ果てる、ではありません。

結実しない。つまり毎年たわわに実らせた果実が少ないのは良い方で、若木には殆ど果実ができない状態です。

これまで4年間も続いた大干魃をバリアーニ家は如何にして生き抜いて来たのか?それは自家採掘井戸保有に尽きます。

公共水源のものは既に供給が停止か大幅な値上げ。バリアーニ家の井戸水は目下結実した樹々に最後の供給中で、最近植樹した若い樹々達には残分が配分されると聞きました。

当主アンジェロ氏未来への希望

この異常気象は世界各地で発生しているようで、イタリアでは干魃とその対局の大豪雨の被害が繰り返し発生し、オリーブも大打撃を被り、30%の製造減が先日イタリアテレビで報道されました。特に先日の豪雨では農園が地滑りで根こそぎ流出した被害が多発報道されバリアーニ家では言葉を失っておりました。

今年9月には新しいオリーブオイルを規制する法規がキャリフォルニア州で施行されました。

それは酸化度0.3%以下のみがエクストラヴァージンと呼称されることです。州と州内にあるキャリフォルニア大学デービス校が開発した計測装置で測定し合否判定をすることになりました。

また輸入者はその輸入量と出荷明細の届け出義務、製造者は全製造量と出荷量明細の届け出義務。このすべてが物語るのは、全米で多発した輸入品をキャリフォルニア産と偽装した偽物オリーブオイルの排除、またオリーブオイルのラベル標記の全てがエクストラヴァージンオリーブオイルとして販売していた出鱈目をターゲットにしたことは明白です。

しかし酸化度0.3%だけでエクストラヴァージン判定することは大なる問題が含まれます。
オリーブオイルのの特定成分酸化度0.3%測定だけでは他のオイルとの混合品でもクリアする可能性があるからです。この点バリアーニ家は正式に州政府と農務省に反対抗告を提出した唯一の企業となりました。

キャリフォルニアのオリーブオイルは今年は30から40%もの減産が確実です。またイタリアでも30%減産。こうなると、次はこの時とばかりに余剰品として繰り越し在庫となったものが新ブランドのボトルで大挙して押し寄せてくるのは必至とバリアーニ家が分析しています。

最後にセバスチャンがこう語りました。
「我々は生き残る。出来ることは全て行う。その一つが過去の天気を記録した農事暦のチェックだ。それによればこの4年越しの大干魃は初めてではなく過去にも発生していた。しかも周期7年のピークが今年の天候に最も近いことを特定した。つまり、来年には回復する可能性があることが期待出来る。サイエンスだ。そしてあとは神様に祈るしかない。健康に注意していれば必ずチャンスを掴めると思っている。日本のお客様には是非このメッセージを伝えて下さい。」

帰国を前に明日はエマニュエル社長と再度詳細の打ち合わせをすることになっております。

グリーンの到着は1月末日を予定しております。帰国後直ぐに急激な為替問題を検討し、価格提案をさせて頂く所存です。諸環境大荒れではありますが、味わい一口で幸福をご実感頂ける製品確保が終わりほっと一息する予定であります。

平成26年11月16日 
サンフランシスコにて  佐藤 格