【コラム】フランス農業祭

弊社社長、佐藤格(いたる)

今回は、いつもと趣向を変えて当社社長(佐藤格)によるフランス農業祭レポートをお送りします。

実は、私はこの7年間ほどフランス農業祭に通っています。

というのも、自分の興味ある分野、グルメに限らず、農業の専門家や政策担当者との質疑応答が可能である点が小生訪問の最大価値だからです。

他にもフランス全土から畜産業者、水産業者、穀物野菜果物種子生産者と各種団体、地方政府農業機関、学術団体まで来ます。

フランス農業祭は、正確にはパリ農業国際見本市と訳されますが現地では単にSalonと呼ばれています。

それ程著名なのは、農業関連専門見本市では世界最古(1964年以来)で最大規模だからです。

沢山の来場者

今年の入場者は8日間(2月23日から3月2日まで)で70万人超。一日平均で9万人。パリのイベントでは一番人気です。

まずフランス農業の基本事項についてご説明します。

国土の53%が農地。これは欧州最大の規模です。

自給率はカロリーで120%超。特に小麦は180%。

半面、果樹野菜はスペイン・イタリアからの輸入超過となっています。

ワインの生産量は世界一。チーズはアメリカドイツに次いで3位。

但し種類の多さと品質管理で世界の頂点です。

一人当りの年間消費量は世界一で27kg。

要するにパンとチーズとワインは質・量ともナンバーワンの国です。

農業祭の目玉は畜産コーナーおよびフランス原種のペットまでの4000頭・匹、350種の家畜の展示でした。

美しく見事な牛

230トンの藁と100トンの干し草、1080トンの泥炭で会場は飼育場そのものです。

ここでは国策として
・遺伝子組み換え禁止
・家畜の在来種保存制度
・同じく野菜小麦果実在来種の種子保存制度
・原産地呼称やら品質管理制度などの詳細
を見せる所であり、味わうことが出来るのです。

フランス国家政策とその体現者である農民生産者の取り組みを体系的に見せています。

初日午前中は大統領と農業・食糧省大臣が来るので非常に警備が厳しく、各入り口とも長蛇の列であったため諦めました。

どうやら初日は一般見学者より見本市参加者家族が集うのが恒例のようです。

会場は一昨年より展示即売コーナーとレストランコーナーを新設し、商談コーナーは廃止されました。

そこではパリでは売っていない様な各県の厳選された地元一番の品々で溢れています。

在来固定種のみ販売の農家さん

価格は地元価格そのままです。

しかも消費税とお釣り切り捨ての現金オンリーのサービスです。

畜産コーナーやら原種保存取り組み展示コーナーをパスして販売棟目掛けてくるパリっ子が多いのも頷けました。

フランス農業には大きな国策、党派を問わぬポリシーが見えます。

「世界一の品質の農産物は絶対に妥協することなく今後とも維持していく。
これこそがフランス国民の幸せの根幹と誇りである」と。